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2005年11月16日

下流社会 三浦展 著

20051115karyu.jpg本屋の店頭で”ジャケ買い”ならぬタイトル買いした本。確かに気になるタイトルだ。日本は一億総中流階級、と言われてきたが、今後は下流というのがはっきりと出てくるだろう・・・というそのものズバリの本だ。

奇遇な事にいつも聞いている伊藤洋一氏のポッドキャスト「伊藤洋一のRound Up World Now!」でも取り上げられていたのには驚いた。まぁそれだけベストセラー候補なんだろう。

ラジオNIKKEI | 伊藤洋一のRound Up World Now !

最近所得の二極化が進む―富裕層とそうでない層とにはっきりと分かれる、という話がよくあるが、まぁその辺りの本で、内容的に大まかにまとめるとこんな感じだ。

『従来、特に戦後以降、上流階級よりも下流階級の方が多く労働し、上昇志向が高い、というのが一般的な図式だった。しかし今後はニートやフリーターなどの「労働意欲のない、多く働かない層」がそれによって下流に転じ、逆に「上昇志向の強い上流」という流れと相反して二極化が進む。またその層の子弟らは自然にこの階級の社会環境によりそこに留まる、つまり階層の固定化が強まっていくだろう』

考察に当たっては世代を「昭和ヒトケタ」「団塊世代」「新世代」「団塊ジュニア」と分け、それぞれの層にアンケートを実施して分類しているのを見るとなかなか説得力がある。

が、まぁそれだけを見てしまうと「ふーん」といった感じで本への興味も湧かないだろう。実際この本はネットアンケートなどを駆使したかなり統計的な色の強い本で、どちらかというと学問系の書であることは間違いない。実際こういう新刊は「バカの壁」以降、内容が学術的でもタイトルにショッキングでキャッチーなものをつける、という成功図式を踏襲し続けている。

しかし、だ。これをもっと幅広い層が恐らく好きそうな「タイプ別分類」の本として見ても結構面白い。ちょっとさわりだけ紹介してみよう。

第5章のタイトルは「自分らしさを求めるのは『下流』である?」だ。なかなか刺激的なタイトルだと思う。この章では「生活の中で大事にしていること」で「個性・自分らしさ」を挙げる人は階層意識が「下」の人に多い、という興味深い話が出ている。「自立・自己実現」もそうだ。一見世間的に悪い響きでもなさそうなのだが、実際データを取ると下流だと自分を考える人ほどこの項目を挙げる率が高い、とのこと。

では「上流」では?となると、男女ともに共通しているのは「ゆとり」だ。男性はこのほか「仲間・人間関係」「創造性」「活動的・アクティブ」で、女性は「美・おしゃれ」「公正さ・品の良さ」だそうだ。ちょっとドキッとする内容ではある。

また面白いのは(団塊ジュニア)女性の持っている時計で気に入っているブランド、だ。『中』・『下』はロレックス、カルティエが高く、『上』は意外にもセイコー・シチズンの国産メーカーが多い。

同じく団塊ジュニア男性が「これからお金をかけたい事」は『上』では「財テク・投資」「家具・インテリア」「健康」「スポーツ・フィットネス」「住宅・リフォーム」であるのに対し、『下』では「教養・資格取得」「娯楽・イベント」が顕著に多い。

男性の趣味でも『上』は「旅行・レジャー」「スキー」「サイクリング」「ゴルフ」とアウトドア志向なのに対して、『下』は「AV機器」「音楽コンサート鑑賞」「テレビゲーム」「スポーツ観戦」「パソコン・インターネット」・・・と読むたびに「あれ?私はどうなんだろう・・・?」と不安になったり得意げになったり、なかなか拾い読みだけでも楽しめる内容だ。

別に昔はやった動物占いではないのだが、そういった軽い見方でちょっと興味本位で読んでみても、真剣に学術的な内容を租借してでも面白いかも、と思える本だ。

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投稿者 netjinsei : 2005年11月16日 00:31

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