« 実験:バイクでETCカードは使えるのか? | メイン | Google AdSenseとCITIゴールドカード »

2005年5月25日

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

さお~や~、さおだけ~♪というあのさおだけ屋さん、書名を見て確かに「そういえば何で潰れないんだろ?」と思ったのは確かだが、その期待感だけを抱いてこの本を読むと失望する事になるだろう。この本の副題、「身近な疑問からはじめる会計学」からも分かるとおり会計に関しての本であって、コンビニに並んでいるありがちな「モノの原価」や「商売のカラクリ」みたいな軽薄な本ではないからだ。

著者の山田真哉氏は会計に関しての本を色々なアプローチで出来る限り分かりやすく書こう、と腐心されているようで、著書一覧を見ても色々なアプローチを取られているのが分かる。

山田 真哉 著書一覧:Amazon

目立つのは女子大生会計士の事件簿シリーズと思われるが、ちょっと軽薄な?タイトルとは裏腹に短編の1つ1つが企業会計の何かのトピック、例えば裏金であるとかを中心にその手法、会計に与える効果(インパクト)をバーチャルに体験できるようになっていて面白く読めた。小説の話の仕立て自体は女子大生が主査を務める、などちょっと無理な筋立てなので現実感はないが、逆におとぎ話的に軽く読め、けれど本筋の部分はちゃんと頭に入ってくる、という点でいい本だと思う。

話は戻ってさおだけ屋だが、潰れない理由というか、ああいう営業手法を用いる理由についてはご一読頂くとして、結論2つの理由があり、それぞれを一般的な企業の利益確保の手段、つまり「売上を上げる」か「経費を下げる」かに結論付ける、という流れ自体はやはり分かりやすく会計の話につながっていく。

このほかの目次を引用してみよう。

エピソード1 さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
  ――利益の出し方――
エピソード2 ベッドタウンに高級フランス料理店の謎
  ――連結経営――
エビソード3 在庫だらけの自然食品店
  ――在庫と資金繰り――
エピソード4 完売したのに怒られた!
  ――機会損失と決算書――
エピソード5 トップを逃して満足するギャンブラー
  ――回転率――
エピソード6 あの人はなぜいつもワリカンの支払い役になるのか?
  ――キャッシュ・フロー――
エピソード7 数字に弱くても「数字のセンス」があればいい
  ――数字のセンス――
エピローグ 普通の人が「会計」を学ぶ意味

それぞれのエピソードを見る限り、やはり命題の謎解きに興味が行ってしまいそうだが、それぞれを今見返して思い出してみても、各エピソードの詳細は「ふーん」程度のモノだと思う。しかし各エピソードを通じて私や皆さんがそれぞれ勤務しているであろう企業やその経営層が一体何を考えて事業を進めているのか、財務部って何してんのよ?といった理解不足の解消の助けになるのは間違いないと思う。

またそういった基本的な理解をする事で今までの「知ってるつもり」がさらに一層理解が深まるのでは、と思う。例えば分かって読んでいるつもりの新聞の経済欄がさらによく分かる、とか。そうして個人の財務活動にもメリットが出てくるのでは・・・と思ったりする。

少し前に「すぐに読める決算書!」といったタイトルのビジネス本がもてはやされた記憶があるが、その決算書のベースは会計だ。歌舞伎の世界の言葉で「型を持っている人が型を破るのが『型破り』。そもそも型がなければただの『形無し』」というのがあるが、その意味での基本になる会計の考え方をこういったソフトタッチの本で漠然と押さえる、というのは実は遠回りのようで一本道の近道なのでは・・・と思った。

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
身近な疑問からはじめる会計学
Amazon.co.jpへ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Bloglinesで閲読登録

投稿者 netjinsei : 2005年5月25日 00:18

コメント

コメントしてください




保存しますか?


asp-shop.net | asp-web.net | キャッシング 比較